第1章 影響力の武器
影響力の武器
文明が進歩するということは、自分の頭で考えなくても様々なことが出来てしまうということである
ーアルフレッド・ノース・ホワイトヘッドー
判断のヒューリスティック
ここで質問です。
100円で指輪が売っていたとしたらあなたは買いますか?
おそらく答えは、NOだと思います。
だって、100円の指輪なんて絶対に偽物ですし本物のわけがないと
考えると思います。
この問題を頭の片隅に置きながら話を読んでください。
筆者にある宝石店の話が舞い込んできました。
「あまりにも売れなくて安売りしていた宝石があったのよ!!だから出張中の間、さらに1/2の値段で販売してと伝えたら間違えて2倍の値段で販売していたの!!そしたら売れたのよ!!一体どうゆうことなの、、、?」
一体売れなかった宝石がなぜ売れたのでしょうか?
それは、判断のヒューリスティックが発動されたからです!
論理的な判断のつもりが、自分の経験や直感に頼って判断、意思決定をしていることがあります。その際に影響しているのがヒューリスティックです。ヒューリスティックは心理学の用語です。
つまり、宝石店のお客さんは直感的に
「高いもの=良質なもの」という概念を持っていました。
なので、宝石が安くなれば安くなるほど
お客さんの頭の中で安い=粗悪品という考えになっていたのです。
人間は考えているようで、機械的に判断を下しているのです。
このような事例をもう一つお伝えします。
カチッ・サー効果
心理学者のエレン・ランガー行った実験では、
人間が機械的に判断を行なっていることを発見しました。
ランガーは図書館でコピー機の前の人に
「すいません、、5枚だけなんですけど、先にコピーを取らせてくれませか?
急いでいるので」
このようにお願いをしました。
これは「お願い+理由」の効果は完璧に近いので、
94%の人がコピーを取らせてくれました。
次に、
「すいません、、5枚だけなんですけど、先にコピーを取らせてくれませか?」
とだけ頼んだ、場合は60%の人にしか譲ってもらえませんでした。
これだけ見ると、「急いでいる」という言葉が大事な要素に見えますが
次の実験結果で、ある発見がありました。
「すいません、、5枚だけなんですけど、先にコピーを取らせてくれませか?
コピーを取らなければいけないので」
このお願いではなんと93%の人が譲ってくれました!!
この結果からわかったことは、
理由があればなんでも良いというものでした。
特に人間は「ので」という言葉に反応するらしく
前後の文脈はあまり重視していないことがわかりました。
これは日常生活でも使える心理テクニックですので、
営業などでも活用してみてください。