僕たちはケーキの切れない非行少年たちを読まなくてはいけない
ケーキの切れない非行少年たち
僕の通っていた小中学校は、とても治安が良かったと思う。
みんなしっかり授業を受けるし、窓ガラスが割られたり、万引きしている人もあまり目立たなかった。
しかし、少数だが確かに万引きや酒やたばこなどの非行に走る人たちがいた。
「ケーキの切れない非行少年たち」では、このような非行少年たちに実際に向き合った著者がなぜ非行に走ってしまうのかを綴ってくれた本である。
世の中のすべてが歪んで見えている
「ケーキの切れない非行少年たち」では、タイトルの通り少年たちにケーキを三等分させるテストをおこなった。
これは、なにか脅迫されていて関係性が示されていたりわざと適当に書いたわけではなく純粋に書き写しただけである。
下記のテストも同様である。
なぜ彼らはこのように書いてしまうのか?
それは、認知機能の弱さにあります。認知機能とは、記憶、知覚、注意、言語理解、判断・推論といったいくつかの知的要素を指します。人は五感(見る・聞く・触れる・匂う・味わう)を通じて、外部環境から情報を取得します。そして得られた情報をもとに計画を立てて、様々な結果を作り出す過程で必要な力が認知機能です。つまり認知機能は、受動・能動を問わず、すべての行動の基盤でもあり、教育支援を受ける土台でもあるのです。
しかし、その認知機能が歪んでしまっていた場合には、受け取る外部情報もすべて間違って受け取ってしまうことになります。その結果がイラストテストのようになるのです。
この認知のゆがみこそ、少年たちが非行に走る原因である。
認知が歪んでしまうことで、コミュニケーションが取れなかったり勉強についていけなくなっていきます。
私たちはどうするべきか
このように、常識では考えられないようなことをしてしまう子たちが大勢います。
その子たちにも寄り添うためにも、この本の学びは重要であると感じた。
もしかしたら両親が、友達が、息子や孫が同じように苦しむかもしれない。
そのためにも、私たちは学び続けなければならないのかもしれない。